タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜

  • 2018.07.11 Wednesday
  • 20:45

 

1980年5月に韓国で起きた歴史的な民主化運動での悲劇“光州事件”を背景に、厳しい取材規制の中で現地入りしたドイツ人記者と、彼を乗せることになった平凡なタクシー運転手の知られざる真実の物語を描いた感動ドラマ。主演は「殺人の追憶」「密偵」のソン・ガンホと「戦場のピアニスト」「ワルキューレ」のトーマス・クレッチマン。共演にユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル。監督は「義兄弟 SECRET REUNION」「高地戦」のチャン・フン。

 

1980年、韓国のソウル。妻に先立たれ、幼い娘を抱えて経済的に余裕のない毎日を送る陽気なタクシー運転手のキム・マンソプ。その頃、光州では学生を中心に激しい民主化デモが発生していたが、戒厳令下で厳しい言論規制の中にいるマンソプには詳しい事情など知る由もなかった。そんな中、ドイツ・メディアの東京特派員ピーターが光州での極秘取材を敢行すべく韓国入りする。英語もろくに分からないマンソプだったが、“通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う”というピーターの言葉に二つ返事で引き受ける。こうして現地の深刻さに気づかぬまま、ピーターを乗せて意気揚々と光州へ向かうマンソプだったが…。 (C) allcinema

 

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お人好しでうだつの上がらないただのタクシー運転手だったはずが、事件に巻き込まれ惨状を目の前にして、葛藤しながらもただただ良心に従い、自ら茨の道に飛び込む決断をする今作屈指の名シーン。ソン・ガンホの男気に涙を禁じ得なかった。そして、ほのぼの人情話で始まり、体制との攻防を経て、まさか『マッドマックス』のようなクライマックスを迎える事は予想打にしなかった。近年の実話もので、同じく体制への反発を切り取った『デトロイト』では、エンタメ性を極力排除し、鉛のように鈍痛が残る傑作に仕上がっていましたが、この『タクシー運転手』の後半では、いやいや、やり過ぎだろ!というエンタメに特化したシーンが待ち構えていて、これもまた真逆のような痛快さが残る傑作でした。

 

 

15時17分、パリ行き

  • 2018.07.06 Friday
  • 00:00

 

「アメリカン・スナイパー」「ハドソン川の奇跡」の巨匠クリント・イーストウッド監督が、2015年にフランスの高速鉄道で発生した銃乱射テロ事件で、犯人を勇敢に取り押さえて大惨事を阻止したアメリカ人青年3人の英雄的行為を映画化した実録ドラマ。幼なじみの若者アンソニー、アレク、スペンサーの3人が、旅行中に遭遇した無差別テロにいかにして果敢に立ち向かうことが出来たのか、その知られざる真実の物語を、彼らの子ども時代からの半生と、緊迫の事件のリアルかつ詳細な再現を通して明らかにしていく。また3人の主人公のほか、事件が起きた列車に偶然乗り合わせていた乗客たちの多くが本人役として本作に起用され、劇中で自らを演じるという前代未聞のキャスティングも話題に。 (C) allcinema

 

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事件の多くの当事者達を本人役で出演させる(犯人を取り押さえた者のみならず、乗客、そして、被弾して重症を負った人まで!)キャスティングを決めたクリント・イーストウッド尖ってる。その日、列車に偶然乗り合わせた者たちの群像劇サスペンス!・・・といった演出は全く無く、なんなら途中、街を観光しているだけの話にだいぶ時間を割いているので、「一体、俺は何を見させられているんだ…?」という気持ちになるのですが、観終わってみれば、3人の青年たちの半生を描いた前半を踏まえて、人の命を救った事実に妙に感動してしまった。

 

 

デトロイト

  • 2018.07.05 Thursday
  • 00:00

 

キャスリン・ビグロー監督が「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」に続いて再び脚本にマーク・ボールを迎え、1967年の“デトロイト暴動”のさなかに起きた衝撃の事件を映画化し、今なお続く銃社会の恐怖と根深い人種対立の闇を浮き彫りにした戦慄の実録サスペンス。黒人宿泊客で賑わうモールを舞台に、いたずらの発砲騒ぎがきっかけで、警察官に拘束された黒人宿泊客たちを待ち受ける理不尽な悲劇の一部始終を圧倒的な臨場感で描き出す。主演は「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のジョン・ボイエガと「メイズ・ランナー」のウィル・ポールター、共演にアルジー・スミス、ジョン・クラシンスキー、アンソニー・マッキー。

 

1967年7月、デトロイト。黒人たちによる暴動が激化し、鎮圧に乗り出した軍や地元警察との衝突で街はまるで戦場と化していた。そんな中、運悪く暴動に巻き込まれ身動きできなくなった人気バンド“ザ・ドラマティックス”のメンバー、ラリーが宿泊していたアルジェ・モーテルで銃声が鳴り響く。それは黒人宿泊客の一人がレース用の空砲をふざけて鳴らしたものだった。しかし、それを狙撃手による発砲と思い込んだ大勢の警察官がモーテルになだれ込んでくる。やがて、偶然居合わせただけの若者たちが、白人警官のおぞましい尋問の餌食となっていくのだったが…。 (C) allcinema

 

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こんな理不尽あるのかよ…実話かよ。差別主義者であり加虐者の白人警官による惨たらしい仕打ちに、だいぶ気分が落ち込んでしまった。最悪白人警官を演じた特徴ある顔見覚えあるなと思ったら、『リトル・ランボーズ』に出てた子だったんですね。成長したなー。胃がキリキリするような拷問シーンがハイライトである一方、後半の法廷シーンもまた見応えがあった。弁護士まで最悪なのかよ。キャスリン・ビグロー、ホントに胃液出るようなヘヴィな映画ばっか撮ってるな。

 

 

パディントン2

  • 2018.07.04 Wednesday
  • 00:00

 

英国紳士なクマの“パディントン”の活躍を描いたマイケル・ボンドの児童小説シリーズを実写映画化し、世界的大ヒットとなったファミリー・コメディの続編。ロンドンの都会生活にも慣れてきたパディントンが、思わぬ犯罪に巻き込まれて繰り広げる大騒動の行方をコミカルかつ心温まるタッチで綴る。パディントンの声は引き続きベン・ウィショー。ほかにヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベントら前作から続投組に加え、ヒュー・グラントとブレンダン・グリーソンが新たに登場。監督は引き続きポール・キング。

 

ペルーの山奥からロンドンにやって来た礼儀正しいクマの“パディントン”。ブラウン家に家族として迎えられた彼は、今では都会暮らしもすっかり板について、幸せな日々を送っていた。ある日、彼は世界に1冊しかない飛び出す絵本をルーシーおばさんの誕生日プレゼントにしようと思い立ち、高価なその絵本を買うためにアルバイトを始めることに。ところが、その絵本が何者かに盗まれてしまい、偶然居合わせたパディントンは犯人と間違われ逮捕されてしまう。なんと絵本には宝の秘密が隠されていたのだった。そして、それを盗んだのはブラウン家の向いに住む落ち目の俳優ブキャナンだった。そんなこととはつゆ知らず、ブラウン家の人々はパディントンの無実を晴らすために奔走していた。いっぽう刑務所送りとなってしまったパディントンは、恐ろしい囚人たちと思いがけない友情を築いていくのだったが…。 (C) allcinema

 

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飛び出す絵本の中に入り込む描写が息を呑むほど鮮やかで見惚れてしまうし、以降は、パディントンの無実を晴らそうと奔走するブラウン家の姿や、あらゆる人々の優しさが染みてずっと泣いてた。一時の笑いとして流して見ていたシーンが、後々伏線として効いてくるのには感服するほどで、チャクラはめちゃくちゃ笑った。超傑作だった前作に肩を並べるどこまでも温かい傑作でした。

 

 

フューチャーワールド

  • 2018.06.23 Saturday
  • 00:00

 

ジェームズ・フランコがニューヨーク大学映画学科で出会ったブルース・ティエリー・チャンと共同監督したディストピアンSFアクション。文明が崩壊し荒廃した未来世界を舞台に、突然愛に目覚めたアンドロイドを巡って様々な勢力が壮絶なバトルを繰り広げるさまを描く。主演は「マッドタウン」のスーキー・ウォーターハウス、共演にジェームズ・フランコ、ジェフリー・ウォールバーグ、ルーシー・リュー、ミラ・ジョヴォヴィッチ。

 

世界戦争によって文明が崩壊した未来。残忍な略奪者集団“レイダース”を率いるウォーロードは1体だけ残った美しきアンドロイド“アッシュ”を発見し、自分の所有物とする。一方、平和国家“オアシス”では統治者のクイーンが難病に倒れ、息子のプリンスは遥か遠方の“命の寺”にあるといわれる特効薬を求めて旅立つ。しかし道中でウォーロードに捕まり、“オアシス”へ案内するよう強要されてしまう。ところがその直後、アッシュが突然覚醒し、主人であるウォーロードを裏切り、プリンスを助けて一緒に逃亡を図る。やがて2人はドラッグロードが統治する“ドラッグタウン”に流れ着くのだったが…。 (C) allcinema

 

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モノローグ始まりのディストピア映画は大体凡作という俺の偏見を助長させる有象無象映画でした。今更マッドマックス風をこのクオリティでやろうとしたのヤベー。都合よく反旗を翻すロボット、設計ミスか??? 何故かドラッグムービーになる途中のパートは良かった。

 

 

レディ・プレイヤー1

  • 2018.06.22 Friday
  • 00:00

 

「AKIRA」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ストリートファイターII」をはじめ80年代の日米ポップ・カルチャーがふんだんに盛り込まれていることでも話題を集めたアーネスト・クラインのベストセラー『ゲームウォーズ』を、巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化したSFアドベンチャー大作。現実世界の荒廃が進む近未来を舞台に、あらゆる願望が実現する新世代VR(バーチャル・リアリティ)ワールド“オアシス”で繰り広げられる壮大なお宝争奪戦の行方を、驚きの有名キャラクターの数々と最新の映像技術を駆使した圧倒的臨場感で描き出す。主演は「MUD マッド」のタイ・シェリダン、共演にオリヴィア・クック、ベン・メンデルソーン、マーク・ライランス。また日本からも森崎ウィンが参加。

 

2045年の地球。街が荒廃する一方で、若者たちはVRワールド“オアシス”に夢中になっていた。そこでは誰もが好きなアバターに姿を変え、自分の思い描く通りの人生を生きることができた。そんなある日、オアシスの創設者ハリデーが亡くなり、彼の遺言が発表される。それは“アノラック・ゲーム”と呼ばれ、彼が仕掛けた3つの謎を解き、オアシスに隠されたイースターエッグを最初に見つけた者には莫大な遺産に加え、オアシスの後継者としてその全権を与えるというものだった。この驚くべきニュースに世界中の人々が色めき立つ。現実世界に居場所がなくオアシスだけが心の拠り所の17歳の青年ウェイドもこの争奪ゲームに参加し、オアシスで出会った謎めいた美少女サマンサら大切な仲間たちと力を合わせて3つの謎に挑んでいく。そんな彼らの前に、恐るべき野望を秘め、邪悪な陰謀を張り巡らせる巨大企業IOIが立ちはだかるのだったが…。 (C) allcinema

 

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VAN HALENにTWISTED SISTER、シャイニングにチャイルド・プレイにエイリアン…ここまで80年代オンパレードになってるとは思わなかったし、"ジョン・ヒューズ"や"フェリスはある朝突然に"の文字を画面に確認した時はニヤけてしまった。元ネタ探しが楽しい。仮想世界のアニメーションが続く前半は若干食傷気味でしたが、アバターの本人が判明して以降は現実世界と絡み合いも多くスリリングだった。ラストの投げっぱなしというか、ご都合主義のような展開は良くも悪くも80年代的で、ノスタルジーと呆れがありましたが、『スコット・ピルグリム』で感じたような、楽しすぎて笑ってしまう高揚感を感じることが何度もあった。

 

 

イカリエ-XB1

  • 2018.06.10 Sunday
  • 12:50

 

スタニスワフ・レムの『マゼラン星雲』を基に、「スター・トレック」や「2001年宇宙の旅」に先立つ1963年に社会主義のチェコスロバキアで製作され、後のSF映画にも影響を与えたと言われる、映画史的にも重要なSF作品。2018年5月、<デジタル・リマスター版>にて本邦初劇場公開が実現。

 

2163年。宇宙船イカリエ-XBが世界初の生命探査の旅へと出た。地球への帰還までおよそ15年、高速で移動する乗組員にとっても2年間という長旅。その内部では様々な年齢の男女40人が共同生活を送っており、人間関係のもつれも次第に表面化していく。そんなある日、正体不明の宇宙船に遭遇する乗組員たちだったが…。 (C) allcinema

 

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船内セットや陰影が印象的なモノクロの画が非常にスマートで良かった。エンドロールが無くばっさり終わるのには面食らったけど潔い。ゆったりとした前半の話の流れは、眠気を誘うけどスタートレックのいちエピソードのようで心地良かった。

 

 

数字の羅列

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